小規模事業者持続化補助金を申請するにあたって、事業計画書など記入するのに「何を書いたら良いか」、「どのように書いたら良いか」、と戸惑いを感じている方がこの記事にたどり着いたのではないでしょうか。
そこで、商工会議所の職員で実際に事業計画書などの書き方を指導している私が、旅館業を営む「無人受付機器導入」に特化した記載例(テンプレート)をご紹介します。
そもそも持続化補助金コロナ型ってどんな制度か知りたい方は先にこちらの記事をご覧ください。
こんな疑問をお持ちの方は解決します!
- 小規模事業者持続化補助金申請書の事業計画の書き方ってどう書くの?
- 無人受付機器導入と販路開拓に結びつかせるにはどうすべきか?

商工会議所の職員です。読者の推奨として
- 持続化補助金コロナ型を利用して「無人受付機器を導入」したいと考えている人
- 事業計画書のテンプレート(記載例)が知りたい人
記事を参考にしていただければ計画書が完成に近づきますのでご利用ください!
この記事を読んで得られること
- 記入例を自社用にアレンジすればほぼ申請書が完成
※ただし、全く同じ文書だと量産され不採択の確率が上がります。実際に量産文書がきたら報告してほしい、と日本商工会議所から通達が来てます。なので、あくまで参考にしてオリジナリティをだしてください。
※この記事は「持続化補助金コロナ特別型:補助額最大100万円」の掲載例について書いておりますが「持続化補助金一般型:補助額最大50万円」のでも多少アレンジしていただければ利用可能です。
他にも多数記入例を記載しておりますので【まとめ記事】をご覧ください。

有料記事ではありますが、採択企業と不採択企業を評価した記事を書きました。
途中までは無料公開しておりますので是非こちらにも一度目を通してみてください。
【小規模事業者持続化補助金】不採択者を評価し「なぜ不採択?」の仮設を立ててみた(note)
様式2 計画の内容の書き方
まず始めに、旅館業を営む無人受付機器の導入費用に補助金は対象になるのか?この疑問ですが、
単独ではこの補助金の対象外です。
ですがきちんと補助対象になる方法を記載してきますので安心くださいね!
対象になるポイントは「地道な販路開拓」です。
つまり、販路開拓をする手段(チラシの配布やHP作成等)と抱き合わせの申請をすれば何の問題もありません。
なので、「無人受付機器の導入」と「チラシの配布」を補助区分としてここでは解説していきます。
※後から調べて分かったことですが、「非対面型のビジネスモデルへ転換」という観点から抱き合せでなくても対象になるようです。しかし、販路開拓の観点から外れてることから内容を精査する必要性はあるようです。チラシ等と抱き合わせた方が無難です。事務局に問い合わせてもこのあたりは濁されました。
これより先は【様式2計画の内容】についての書き方を下記に記します。
補助事業申請者の前提(これは架空の事業者です)
記載例を紹介する前に、次のような事業を経営している設定で補助金申請をすると致します。
【人口5万人規模の温泉街で旅館業を経営する3代目40代の法人代表者。15名の雇用者がいて、接客・清掃・板前と人員はいっぱいいっぱい。現在はお客様をおもてなした後、対面で受付から館内の案内をしている。一組にかかる時間は10分~15分程。チェックイン時はお客様が集中してしまい、長い時で60分程お待ちいただくこともある。
そこでこの度受付無人化にし、人員の削減とスムーズなチェックインシステムの導入を本補助金を利用して導入しようと考えた。】
これより先は、実際の申請書のタイトルと照らし合わせながらご覧いただければと思います。
1.Bに該当
ここはサラっと、Bにチェックをお願いします。
2.事業概要
2.採点者は一人あたり200社程見るので、グラフなどを活用し見やすくする
創業・当旅館の概要:1960年 温泉街に位置し、温泉街で営む旅館のなかでは営業年数は3番以内に入る。店主は現在で3代目。雇用者は15名おり、接客をする女将、フロント、清掃、板前。
部屋数は30部屋で、和室のみ。そのうち、10室は露天風呂付き客室となっている。
当館の売りは、源泉を引いている温泉。温泉街である当館ではあるが実際に源泉を引いているのは当館の他2件。リピート率も高く、長期休暇時期は1年前から予約で埋まる程。
営業:年休は1日のみ。創業日である3月1日のみ。休日はシフトを設け、交代制で行っている。
チェックインが14時、チェックアウトが翌10時
基本プランは、夕食・朝食付きのプラン。
年齢層 | 一組の人数 | |
1 | 60代 | 2人(老夫婦) |
2 | 70代 | 3~5人(ファミリー層) |
3 | 40代 | 2世帯(4名~10名で2部屋) |
3.新型コロナウイルス感染症による影響
この度、緊急事態宣言を受け、旅館業は休業要請の施設となった。
その為、5月のGWの売上は0円。4月と5月の売上は昨年同月比で95%以上の減少。6月は、持ち直しつつも、昨年同月比で60%前後の減少を予測。
2020年についてのインバウンドは全く期待ができず、昨年オリンピックの為に全面改装した改修費の回収も予定より、3年はかかりそう。
また、もともと電車からのアクセスが悪いのだが、レンタカーやバスを利用した都心からの見込み客も消費量の低迷と失業率の高さから期待が持てない。
温泉を引き込んでいるのが当館の売りで、日帰り温泉観光客も例年の2割に及ばない状況である。
周辺地域の飲食店の営業も休業中でその変わりいつも以上に鮮度の良い、野菜や海鮮を仕入れることができるが供給する場面がない為、在庫を抱える始末である。
4.今回の申請計画で取り組む内容
事業名:無人チェックイン機器を導入しスマートに部屋までご案内(26文字)
2.インパクトのあるタイトル名
3.計画内容をまずは完結に述べる。それから背景の説明
※採択された場合はこちらのタイトルがネット上に公開されます。
計画内容:
〇無人受付機器の導入と当館の提供するサービスをチラシに記載し、販路開拓を狙う。
現在はフロントスタッフがお出迎えをし、館内の説明やチェックインなどを人員で行う為、一組に対する時間が15分程かかることもある。その為、チェックイン時には集中し、お客様をチェックインするだけでもかなりの時間をお待ちいただくことがある。
当館のリピート客からするとこれが多少のストレスとなることも否めない。
また、昨年全面改装したにもかかわらず、「オリンピックが起爆剤となることを予測し周知をしていなかったので改めて当館のおもてなしを提示するチラシを来館したことあるお客様にDMでの配布と旅行会社へ配布し、販路開拓も狙う。」
2.新型コロナウイルス感染症を乗り越えるための取り組みの中で、本補助金が経営にもたらす効果
2.これをすることでこの効果が生まれる、を意識して書く
経費区分
①機械装置等費(無人受付機器):80万円
②広報費(チラシ作成):30万円
下記は、計算の最後のところを記しています。
補助対象経費 | 補助対象経費のうち新型コロナウイルス関連投資額 | |
(1)補助対象経費合計 | ①1,100,000 | ②800,000 |
(2)補助金交付申請額 (1)×補助率3/4 |
825,000 | |
(3)新型コロナウイルス関連投資の割合(%) (②/①)×100%≧1/6(16.7%) |
72.7% |
作成ポイント
まず、採点者ですが一人当たり200社程審査するそうです。
なので文書ぎっしりの申請書や専門用語が多様されている場合だと読まれない場合が起きます。
その前提を踏まえて2つのポイントを紹介します。
- 写真や画像・図・表などを活用して見やすく構築すること
- 第三者目線で書き、小学生の子供でも理解できる文章表現をすること
※この2つのポイントは絶対に抑えて下さい。
申請書作成サイト紹介
とはいえ、やはり自身で申請書を作成するのは困難だ、また申請書に割く時間がない!という方もいるかと思います。
そこで地域の作成業者を紹介します。
専門家に依頼しようと考えている人
- 日本最大級!地域の専門家を探せるプラットフォーム「ミツモア」
こちらで“社会保険労務士”の方に依頼すれば大丈夫ですよ!
申請書の作成代行のみならず、様々な案件を取り扱っております。
不採択者を評価
不採択者を評価し、不採択だった原因の仮説を立ててみました。
有料記事ではございますが一部無料公開もしておりますのご覧になってみてください。
まとめ
・事業計画書の書き方は各項目ごとにポイントがあるのでそれを注意して記載しよう!
・作成ポイントはいかに第三者に伝わるかが大事!
図や写真なども活用しよう!
以上、持続化補助金コロナ特別型の旅館業を営む無人受付機器導入の書き方についてでした!少しでも参考になったら嬉しいです。
最後にお知らせです。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
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