商工会議所の職員である私が第一回事業再構築補助金の申請する際に気を付けたこと及び関連するセミナーを受講してみて、作成するうえでポイントだな、と感じた部分を独断と偏見で共有致します。
採択結果は6月上旬の為、結果からどうこう現時点では言えないのですが少しでも申請する方の参考になれば嬉しく思います。
第一回申請では3件分の補助金に携わり、補助金額で8000万円、総事業費で1億5000万程の案件を支援しました。
#ごめんなさい。第二回申請前にこの記事出すはずが、仕事が忙しくて第三回目申請前に公開することになってしまいました・・・。
そもそも事業再構築補助金の概要が知りたい!という方は下記記事をご覧ください。
- 事業再構築補助金を作成する際のポイントを知りたいな
- 事業再構築補助金を作成するのにかかる目安の時間は?
事業再構築補助金申請書作成のポイント
この補助金のキーワードは【思い切ったリスクのある事業】です。
思い切らない置きにいっている事業はおそらく採択は難しいのではないかと予測します。
どのようなことが“思い切ったリスクのある事業”かというと
第三者目線から見たときに「それやって大丈夫?」と思わせることや「面白そうだね!」といったように心配やわくわく感をそそるような事業のことです。
また、投資主観で言えば、建物の建築(高額支出)や建物の改装、機械装置の購入のどれか1つは必須であると個人的には思っています。
それから、リスクある事業の本質は“オムニチャネルの導入”を促すものではないか、と思われます。
オムニチャネル(Omnichannel)とは、複数の販売チャネルを活用する「マルチチャネル」販売(小売り)の進化形で、リアル(実店舗)とネット(インターネット通販)の境界を融解する試み[1]。購入(販売)以外の顧客の行動についても、包括的・双方向で捉えようとするところがポイントである。
参照:Wikipedia
要するに1つの事業で売上を立てていくのではなく、もう1つ以上の事業でも売上を立てる努力をしましょう!と言っているのです。
当補助金申請に係る労力
実際に作成してみての感想はだいぶ頭を使ったなー、が率直です。
ぶっちゃけかなり大変で作成するにあたり辛いです・・・。
申請にあたり、労力を数値化すると、
申請書作成時間の目安は、事業主・支援先共に30時間~50時間はかかります。
電子申請に入力する項目も結構てこずり、3時間程費やしました。
よって事業主及び支援先それぞれ個人にかかる時間が60時間程、併せて100時間はかかると予想しておくと良いでしょう。
ですが労力をかけたことが自社を見直すきっかけにもなり、そこから得るヒントで事業が発展することも考えられます。
これは資産の磨き上げですので、時間をかけた分が無駄になることは決してないのでこの数値に惑わされずチャレンジしてください。
事業再構築補助金の要領が正式に出る前の下記チラシ内容を見る限りあたかも簡単そうに見えますが、この事業を行うからと言って簡単な申請書で補助金が出るという思い込みは考え直した方が良さそうです。
作成するうえでのポイント
作成していくにあたって、申請書が無駄にならないようにするためにも、以下の項目については押さえてください。
審査項目から特に重要そうな部分をピックアップしたものです。
- 要件を満たす
- 3~5年計画
- 既存事業へのシナジー効果
- コロナが深刻で事業再建の必要性があること
- 先端的なデジタル技術の活用
- 脱炭素等経済成長を牽引し得るか
- 雇用の創出と経済成長の事業か
それぞれについて簡単に解説していきます。
要件を満たす
この補助金には、「新分野展開」「事業転換」「業種転換」「業態転換」「事業再編」に対してそれぞれ違った要件が存在します。
この要件をきちんと理解し、要件をクリアしないと事業計画の内容がどんなに良くてもこの時点で【不採択】となります。
ですので絶対に要件はクリアするとともに、わかりやすく示してください。
文章の中に埋もれてしまうと審査員の捉え方によっては見落とす方もいるかもしれないのでこの要件については、箇条書きで示すことをおすすめします。
3~5年計画
事業終了年度の次の年度から3~5年で付加価値額を年平均3%以上、上げる事業計画が必要です。
※事業終了年度の考え方①:R3年12月決算で補助事業がR3年9月に終了の場合、R4~R9年の間で3%以上の付加価値年平均3%以上上げる必要がある。
事業終了年度の考え方②:R3年12月決算で補助事業がR4年3月の場合、R5~R10年の間でで3%以上の付加価値年平均3%以上上げる必要がある。
年3%以上と条件があるものの、最低の3%ではなくそれ以上の計画が望ましいようです。
理由は、既存事業に加えて売り上げの柱を1つ増やしていってほしいからです。
とは言え財務事情は企業によりさまざまであるかと思いますので、実態と乖離しすぎない予想を立てれば良いでしょう。
既存事業へのシナジー効果
新事業は既存事業に影響を与える事業だと尚良いです。
例えば、“健康”を切り口にしている飲食店が、新たにフィットネスジムを経営する場合、一見別産業なのでシナジー効果は薄いように思われるかもしれませんが、
フィットネスジムトレーナーによる“食事の改善”も併せて提供していたらどうでしょうか。
既存事業である“健康”を切り口にしている飲食店へのシナジー効果が表れるかと思います。
このように、既存事業にも効果を結び付ける事業計画がポイントが高いと思われます。
コロナが深刻で事業再建の必要性があること
この補助金の背景は、コロナ禍後にも事業を継続していこうと意欲のある事業者を支援する補助金です。
事業概要欄にコロナで受けた影響を包み隠さず“定量的”及び”定性的”の両方の観点から記載しましょう。
コロナによる影響がかなりでている深刻な事業所が優遇される気がします。
先端的なデジタル技術の活用
国の施策をきちんと把握しましょう。
審査項目に「先端的なデジタル技術の活用」とあります。
必ずデジタルに触れることはあると思います。
例えば、頭で、SNSやYouTubeなどを利用すると思っていたらそれをテキスト化し、例え一言でも良いので記載しましょう。
それから、AIの活用などと抽象的ではなく、機械装置を導入するのであれば、“以前まではこの機械にはつまみを回したらボタンを押して操作が主流であったが、最新のこの機械はデジタル画面があってタッチパネルになっており、個別で行う技術をAIが記憶し、いつでも同じ精度のものを製造できる”といったように具体的に記載しましょう。
脱炭素等経済成長を牽引し得るか
上記のデジタルと同様に脱炭素も国の施策です。
なので新事業が脱炭素と結びつくか?を考えてみる良いでしょう。
例えば、機械装置を導入する計画であった場合、一旦機械について炭素を排出しているか、その炭素を軽減あるいは全く出さない性能へとアップグレードしていないか、を調べると良いかと思います。
やってはいけないことは、不要のモノをわざわざ購入し脱炭素ポイントを稼ぐことです。
ポイントよりも投資額が上回ってしまうと本末転倒なので、導入予定の機械装置が脱炭素と関連したらラッキー程度な心構えでいましょう。
雇用の創出と経済成長の事業か
新事業行うにあたり、雇用の創出と地域経済にどう影響を与えるのかをきちんと記載しましょう。
例えば、建物建築をして新事業展開等を行う場合、そこで雇用が生まれます、
申請者自身が頭では雇用すると思っていても、言語化しないことには伝わりません。
地域経済についても同じことで、建物を建築するということはそこに関わる企業が存在します。
その企業名をあえて言語化し、地域経済に貢献する旨、記載しましょう。
そうすることで、頭でえがいていたことが言語化され審査員に伝わり、優位に働くと思われます。
その他
・加点方式
この事業再構築補助金は、100点+@で審査されると言われています。
+@については、加点項目で【緊急事態宣言の影響を受けた事業者】や【最低賃金枠】、【国が行うEBPMへの取り組み】です。
この+@については、想定するに各1~2点で合計105点前後が満点ではないか、と我々界隈では予想しています。
・複数人の審査員で審査
3人の審査員が1つの申請書類を審査していると言われています。
その一人一人が出した点数を平均したものがその申請書の点数だそうです。
採択者については、”点数の高い企業上位何社“で決めているのか?と仮設しています。
よくある質問
ここでは、お客様から寄せられる質問に対しての回答を随時掲載していきます。
・建物の購入費は対象になりますか?
➡購入費は対象となりません。購入して、内外部の外装費には補助金を充てこむことができます。
まとめ
・事業再構築補助金のポイントは「思い切った」新事業!
・申請書にかかる時間は、申請者及び支援者で100時間!
・審査項目をきちんと把握しよう
以上、事業再構築補助金申請書作成のポイント でした。
頑張って採択されて事業発展し、コロナに負けないで事業継続をしていきましょうね!
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